弔いの夜

通夜に参列した。
家族葬とのことであったが、迷惑にならない程度にお焼香だけでも、と出向いたのである。
数年前に脳梗塞で倒れたときに、すでに肝臓はボロボロだったのだが、どうにか復帰し、出社しながら治療を続けていた。
鎌倉の薪能や、サントリーホールでのコンサートなどに一緒に連れて行ってもらった先輩である。
ハードボイルドな人だった。
酒を愛し、煙草がやめられず、本と映画と芸術を愛した。
ダンディーでちょいエロなおやじ。
今頃は飲んだくれてることだろう。