20年

昨日、5月3日は、池波先生の祥月命日である。
早いもので、あれから20年が過ぎた。
文庫が出るのを楽しみに待っていたものである。
「梅安」も「鬼平」も未完のまま絶筆となった。
90歳まで生きると言われていた「剣客」の小兵衛もまだ75歳である。
山口瞳が弔辞に「池波さんは、江戸に長逗留した」と言っていたのが印象的だった。
池波先生の作品は、江戸時代だけにとどまらない。
「忍者シリーズ(と、私が勝手に呼んでいる)」は、戦国時代から始まる壮大な時代絵巻である。
それでも、池波先生をおもうとき、やはり目の前にあるのは江戸の町並みであるような気がすることは確かかもしれない。
これからも、どのような時代になっても、読み継がれていくことだろう。